『サヨナラの向こうにあるもの』
第三章「罰」
ライブが終わり、打ち上げの席で私は冬弓のそばに急いだ。
私のどこにこんな想いが潜んでいたのか、冬弓に怖い程ひかれて行く私がいる。
一緒に仕事が出来る事に興奮している様子の優二の目は、生き生きと正面を向いている。
私の危険な想いなど、きっと考えもしないだろう。
「来てくれて良かったよ。
聞かせたかったんだ。
新曲も出たし。
後で紹介するから。」
そんな話をしたのは、ほんの数時間前。
なのに、私は冬弓に、強くひかれ、テーブルの隅から離れられずにいた。
「お疲れ様でした。
乾杯」
優二のリードで更に賑やかさが増している。
さりげなく冬弓の隣に座りジントニックを飲んでいると、優二が
「冬弓さん、僕の彼女。」
と私の背中を押した。
なんて紹介の仕方だろう。
「そうなの?」
冬弓の瞳が私を見つめている間のほんのわずかな瞬間に、テーブルの下で 冬弓が私の手を握った。
誰にも気付かれないように。
優二に気付かれないように。
私のどこにこんな想いが潜んでいたのか、冬弓に怖い程ひかれて行く私がいる。
一緒に仕事が出来る事に興奮している様子の優二の目は、生き生きと正面を向いている。
私の危険な想いなど、きっと考えもしないだろう。
「来てくれて良かったよ。
聞かせたかったんだ。
新曲も出たし。
後で紹介するから。」
そんな話をしたのは、ほんの数時間前。
なのに、私は冬弓に、強くひかれ、テーブルの隅から離れられずにいた。
「お疲れ様でした。
乾杯」
優二のリードで更に賑やかさが増している。
さりげなく冬弓の隣に座りジントニックを飲んでいると、優二が
「冬弓さん、僕の彼女。」
と私の背中を押した。
なんて紹介の仕方だろう。
「そうなの?」
冬弓の瞳が私を見つめている間のほんのわずかな瞬間に、テーブルの下で 冬弓が私の手を握った。
誰にも気付かれないように。
優二に気付かれないように。