あれから。
しばらく経った日。
兄はシェイドを連れて、いつかの街に来ていた。
「シェイド、あなたの言っていたお友達のお友達のお家は本当に此処ですか?」
「うん。」
「ま、入ってみましょうかねぇ?」
みようによっては主に夜客の入るホテルだが、古い城。
何度か立て替えたであろう跡が少しだけ残っていた。
兄がまず入ってみると、門のところで引き止められた。
「そこ勝手に入ったら駄目ですよ?そっち薔薇園なんで、薔薇の棘が刺さりますから。」
黒髪の青年だった。
いや、よく見れば濃い赤の髪にも見える。
瞳はガーネットのような輝きで、白い肌に黒いYシャツを着ている。
「はぁ、あのぅ…こちらの方ですか?」
「そうと言えばそうなんですけどね。違うと言えば違います。なんだ、セディーに用事ですか?」
「いえ、よくわかりませんが…弟がですね、こちらの方のお友達と会いたいと言うのですが、家に行ってみたらいなかったのでこちらに伺いに…こちらによくいらっしゃっていると伺ったそうで。」
「はぁ、そうですか。ま、どうぞ。お茶くらい出しますんで。此処の人は中です。」
「あ、すみませんね、ほんとに。」
青年に続いて古い城の中に入っていった。
中は想像以上に広く、綺麗だった。
廊下には見事な薔薇が5m置きに飾られ、花瓶も細部に至るまで磨かれている。
掃除もいきわたっていて、毎日この広さをここまで掃除するなら、きっと業者に頼んでいるのだろうと勝手に思ってみたりもした。
くだらない事を考えているうちに、どうやら到着したようだ。
兄はシェイドを連れて、いつかの街に来ていた。
「シェイド、あなたの言っていたお友達のお友達のお家は本当に此処ですか?」
「うん。」
「ま、入ってみましょうかねぇ?」
みようによっては主に夜客の入るホテルだが、古い城。
何度か立て替えたであろう跡が少しだけ残っていた。
兄がまず入ってみると、門のところで引き止められた。
「そこ勝手に入ったら駄目ですよ?そっち薔薇園なんで、薔薇の棘が刺さりますから。」
黒髪の青年だった。
いや、よく見れば濃い赤の髪にも見える。
瞳はガーネットのような輝きで、白い肌に黒いYシャツを着ている。
「はぁ、あのぅ…こちらの方ですか?」
「そうと言えばそうなんですけどね。違うと言えば違います。なんだ、セディーに用事ですか?」
「いえ、よくわかりませんが…弟がですね、こちらの方のお友達と会いたいと言うのですが、家に行ってみたらいなかったのでこちらに伺いに…こちらによくいらっしゃっていると伺ったそうで。」
「はぁ、そうですか。ま、どうぞ。お茶くらい出しますんで。此処の人は中です。」
「あ、すみませんね、ほんとに。」
青年に続いて古い城の中に入っていった。
中は想像以上に広く、綺麗だった。
廊下には見事な薔薇が5m置きに飾られ、花瓶も細部に至るまで磨かれている。
掃除もいきわたっていて、毎日この広さをここまで掃除するなら、きっと業者に頼んでいるのだろうと勝手に思ってみたりもした。
くだらない事を考えているうちに、どうやら到着したようだ。