あれから。
「友達?今日は誰も来ていないが…知っているかもしれん。その者の名と特徴は?」
「ブラド君。黒っぽい青い髪をした不思議な子だよ。」
「ん?ブラドか?それは私の弟だ。」
「え!?いるの!?」
「いや、残念だが今はいない。」
「え…?もしかして死んで…」
「はっはっは!ない、ない!あれが死ぬ訳ないだろう。」
高らかに笑った。
だが、表情が硬い。
とても笑っているようにはみえなかった。
「じゃあどこに?」
「さぁ?あいつは旅に出た。放浪の旅と、それを兼ねて人探しとか言っていたな。確か…シェイド。お前と同じ名だったな。なんだ、お互い探しているのか、酔狂な奴等め。」
「ブラド君が僕を…」
「なんか約束がどうのとか…」
先程の青年が紅茶を入れ替えながらぼそっとセディアスに耳打ちした。
セディアスはそれを聞いてはたと思い出したように手を叩いた。
「そうだ忘れていた。ブラドから伝言を預かっているんだ。此処に来たらあそこから呼んでくれとかなんとか…あそこってのは聞いてないぞ?教えてくれなかったからな。」
「うん…うん!有難うセディアス君!僕ブラド君に会えそうだよ!」
「ほう、それは良かった。ならばどうだ?あいつが帰ってきたら皆で飯にしよう。私はそろそろ腹が減ってな。」
「うん!僕行って来る!」
シェイドは椅子を倒さんばかりに立ち上がり、その場を後にした。
と、言うよりかは地面に入っていったと言った方が正しいだろうか。
黒い物に引きずり込まれるように入っていった。
それに兄が続いて入っていった。