-三日月の雫-
永遠の約束
「……ぴったりだね」
そこに立っていた恥ずかしそうな雫希に、思わず顔が緩んでしまった。
恥ずかしそうに頬を染めた雫希を包んでいる真っ白なドレス。
それは、亡くなった雫希の母親のモノだった。
「……祖母さんから預かった。雫希が着たいと思うなら着せてあげて欲しいって」
雫希に俺との婚姻を結ぶ気が無ければまた祖母さんに返す約束だった。
ずっと良い幼なじみをしてきた俺がまさか、強引に雫希を手に入れようとすることなど微塵も考えていなかったんだろう……。
雫希は今、どんな気持ちでいるんだろうか……。
やっぱり、俺への哀れみだろうか?
例えそうであっても良い……。
明日からまた、雫希と幼なじみに戻れるのなら。