夏の贈り物
暑い夏。
私の慣れない生活が始まった。
1984年の夏。
千葉から一人暮しをする為に東京に越してきたんだ。
何処にも身寄りもなく知らない街。
楽しみの中に不安もあったんだ。

「ぁぁ…うん。大丈夫だよ、うん。もう着いたから。うん。なら準備もあるからまた連絡する…」
私…福井真衣(フクイ マイ)16歳。
今日東京に越して来たんだ。
「お腹空いたな…どっか買いに行かなきゃ…」
東京はすごい所だ。
なんでもあって夜でも明るい。
それに騒がしい…
東京は私にとって憧れの場所。
高校行きながらバイトをして貯めたお金で東京に来たんだ。

明日からは東京の高校に行く。
頑張らなきゃね…。

「うわぁ〜すごい!!」
初めてみる夜の街に驚きを隠せなかった。


「ねぇ、今ひとり〜?」
それは初めてのナンパ。
田舎育ちの私には縁がないもの。
怖くてたたずむ私にナンパ男は
「俺らと遊ぼうよ〜」

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