お題小説
「ごめんね」
「ごめん。じゃないだろ」
「ありがとう」
目を閉じると琉の冷たい体温を感じた
「うつるよ?」
「風邪って人にうつした方が早く治るって言わない?」
「何言ってっゴホッゴホッ」
「喋るな。着いたから。鍵は?」
「開けるから、降ろして」
そっと地面に凜香を降ろす
「着替えたらすぐ寝ろ」
ベッドに入った凜香の額に冷たいタオルをのせる
「気持ちいい」
「ほら」
そう言って体温計を渡す
ピッピ
電子音が鳴り響いた
「8度5分か。暑い?それとも寒いか?」
「少し寒い」