Tales of Love

ボイラー室から発生した火は木造建築の四部高に急速に燃え広がっていた。そしてついに表にもその姿を表した。

｢か、火事です、どうして警報機が鳴らなかったんだ！？と、とにかく一刻も早く生徒たちの非難を！｣

｢皆さん、落ち着いて聞いてください、火災が発生しました。火は校舎全体に広がりつつあります。ですが落ち着いて避難すればまだ大丈夫です。いいですか、これは訓練ではありません｣

校内放送を聞いて生徒たちが慌てだす。

｢うわぁ〜まだ死にたくねぇよ｣

｢そんな〜まだしたいこと沢山あったのに…｣

その場で泣き崩れるもの、自分だけ避難しようとするもの、これでは決して避難などできそうにない。その時

｢ののしるんじゃねぇ！俺達は三年生だろ！俺達がしっかりしないでどうする？落ち着けば大丈夫だ｣

｢…そうよね、しっかりしないと｣

｢避難訓練を思い出せば大丈夫だよ…な？｣

テルの言葉でにより皆次第に落ち着きを取り戻しスムーズに避難することが出来た。