Tales of Love
目をつむってから何秒経ったろう、ニ秒もあれば間違いなく落ちてくるであろう蛍光灯が五秒経っても十秒経っても落ちてこない。美里は恐る恐る目を開けた。
「大丈夫か?美里」

目の前には自分の代わりに蛍光灯を背中で受け止めたテルが立っていた

「テ…先輩!?どうして!?」

「誰かを助けるのに理由がいるかよ、さあ急いで脱出するぞ!」

「でも…動けないんです、頭を打ったせいか、意識は大分はっきりとしてきたんですけど…」

「そうか、わかった」

テルはそう言い美里をおぶると走り出した。
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