ラヴシンドローム~意地悪なkiss~

Minaki/寝顔

 
「ミナキ、ごめん」


教室に戻ると、真広が恐る恐る、といった様子で謝ってきた。


「なんの話?」


「あの……実は……これ」


真広は俺にコンビニの袋を差し出す。


袋の中に入っていたのは袋だった。


“焼きそばパン”と書かれた袋。


しかし肝心の焼きそばパンは入っていない。


「あん?

なにこれ」


「ご、ごめん……。

おいしそうだったから、つい、食べちゃった……。

……ミナキの」


「は?

勝手に食ったのか?」


「わわわわ……!

マジごめんっ!

だって弁当だけじゃ足りなかったんだよおっ」


真広は泣きそうな顔で俺を見る。


「……まあいいか」


俺はため息をついた。


「あ……れ?

怒らないの?」


「ん。

さっき俺も同じようなことしたし」


「?」


だって……。


さっき、アイツの焼きそばパン食べたし……。


 
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