ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
花梨の制服のポケットの膨らみに目が止まった。
ポケットからそれを取り出す。
「……」
ピンクの携帯。
「……ケンゴだいすき、か」
携帯の裏に貼ってあるプリクラを睨み付けた。
「お前……あんまりイライラさせんなよ」
俺は携帯からプリクラを剥がした。
「ねえ……まだ“ケンゴ”が好きなの?」
俺は眠っている花梨に問いかける。
「……ん……」
すると、花梨はもそもそと動いて、再びつらそうに寝息を立て始めた。
なんだか頷かれたような気がして、なんか……ムカついた。