ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
カーッと顔を赤らめて下を向く花梨が可愛い。


……なんでだ?


俺の心臓、なんでこんなにうるさいんだ……?


「また熱上がってきたんじゃねーの?」


俺は花梨を優しくベッドに倒した。


「……ミナキくんのせいだもん」


可愛いこと言いやがって。


「なに……俺のせい?」


「ウン」


「ふーん……。

ならもっと熱くしてやろうか?」


「ええっ!?

ややや……やだあッ!」


ベッドに潜る花梨。


隠れたつもりだろうけど、頭は丸見え。


思わずまた笑ってしまう。


見えている小さな頭を撫でた。


「少し寝てろよ。

帰りは送ってやる」


俺がそう言うと、花梨はひょこっとベッドから顔を出した。


そして悲しそうな顔になる。


「でも、ミナキくん……放課後は約束あるでしょ?

……女の子と」


「約束……?」


……あったっけ?


「ほら、昼休みに……電話で……」


……ああ。


忘れてた。


よく覚えてんな、こいつ。


ていうか、そんな約束どうでもいいし。


それより……。


「お前の体調ほうがずっと心配だし」

 
< 117 / 214 >

この作品をシェア

pagetop