ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
カーッと顔を赤らめて下を向く花梨が可愛い。
……なんでだ?
俺の心臓、なんでこんなにうるさいんだ……?
「また熱上がってきたんじゃねーの?」
俺は花梨を優しくベッドに倒した。
「……ミナキくんのせいだもん」
可愛いこと言いやがって。
「なに……俺のせい?」
「ウン」
「ふーん……。
ならもっと熱くしてやろうか?」
「ええっ!?
ややや……やだあッ!」
ベッドに潜る花梨。
隠れたつもりだろうけど、頭は丸見え。
思わずまた笑ってしまう。
見えている小さな頭を撫でた。
「少し寝てろよ。
帰りは送ってやる」
俺がそう言うと、花梨はひょこっとベッドから顔を出した。
そして悲しそうな顔になる。
「でも、ミナキくん……放課後は約束あるでしょ?
……女の子と」
「約束……?」
……あったっけ?
「ほら、昼休みに……電話で……」
……ああ。
忘れてた。
よく覚えてんな、こいつ。
ていうか、そんな約束どうでもいいし。
それより……。
「お前の体調ほうがずっと心配だし」