ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
ミナキくんはカバンを2つ持つと、仕切りのカーテンを開いた。


「あら、帰るの?」


私たちに気付いた先生がニコッと笑う。


「はい、お世話になりました」


ミナキくんは軽く先生に頭を下げて、保健室の扉を開けた。


「花梨ちゃん、具合はもう大丈夫?」


ミナキくんに続いて保健室を出ようとした私に、先生が優しく尋ねてきた。


「はい!

もう大丈夫です!

ありがとうございました!」


「ふふ、お礼ならミナキくんに言うといいわ」


「へ!?」


「ミナキくんね、花梨ちゃんが寝てる間、隣に付きっきりだったのよー。

よっぽど心配だったのね」


先生がそんなこと言うから、顔が熱くなる。


「あらあら赤くなっちゃって!

可愛いんだからあ!

いいわねー、青春♪」


恥ずかしくて黙り込む私とは対照的に、先生は楽しそうに笑う。


「先生~……」


「うふふ。

素敵な彼氏ね」


素敵な彼氏……かあ。


 
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