ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「花梨」


扉から顔を出して、ミナキくんが「早く来い」って手招きしている。


「あ、行かなきゃ……!」


「うふふ。

あんなカッコいい彼氏、独り占めできるなんて……花梨ちゃんが羨ましいわ」


独り占め……?


ううん。


違うよ、先生。


……独り占めじゃない。


ミナキくんには他にもいっぱい彼女がいるもん……。


独り占めなんて、できないよ。


そんなこと考えたら、また胸がチクッと痛んだ。


 
< 123 / 214 >

この作品をシェア

pagetop