ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
え……?
えっと……。
「舌、出して」
えぇええぇえっ!?
熱くなる顔。
勢い良く跳ねる心臓。
バタバタ暴れても、ミナキくんの腕の中では全く無力で……。
混乱している私なんてお構いなしに、ミナキくんの唇はどんどん迫ってくる。
「ミミミ……ミナキくん!
ダメだってばあ!」
「……なんで?」
「なんでじゃないよーッ!
ここ学校!
しかも廊下!
誰かに見られたらどーするのー!」
すると、ミナキくんの体がスッと離れた。
「あ……れ?」
素直に……止めてくれた……?
キョトンと目を丸くしている私を見て、ミナキくんは妖しく笑った。
「“学校だから”ダメなんだろ?」
「へ!?」
「……つまり、誰にも見られなければイイってことだよな?」
「え!?」
「じゃあ、続きは後で」
ミナキくんは人差し指で私の唇をチョンと触って、わざとらしいくらい爽やかな笑顔を見せた。