ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
ミナキくんはフッと笑って、私の頭をポンポン撫でた。
「早く家ん中入りな。
一応病人なんだから、飯食って早く寝ろ」
ミナキくんに触られた部分が熱い。
「それに、これから毎日一緒に帰るんだろ?」
私が頷くと、ミナキくんはよしよしと笑った。
「じゃあな」
「!」
ミナキくんの唇が、私のおでこに優しく触れた。
ミナキくんの唇の熱が、おでこを通して全身に伝わる。
「バイバイ……」
小さく手を振った。
返ってきた微笑みに、胸がキューっと苦しくなる。
どんどん小さくなるミナキくんの後ろ姿。
その後ろ姿を見えなくなるまで見送った。
まだ、体が熱い。
心臓がうるさい……。
「花梨、なにしてるんだ?」
「へ!?」
結局、お父さんが帰ってくる時間まで家の前でボーっとしちゃってたみたいで……。
「ハッハッハ!
わざわざ父さんの帰りを家の前で待ってたのか~、嬉しいなあ!」
私は真っ赤になるほっぺを押さえて、お父さんの後に続いて家の中に入った。