ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
次の日、いつもより早く起きた俺。


「兄ちゃん、今日起きんの早くね?」


リビングに行くと、先に起きていた弟が朝飯を食っていた。


「珍し。

今日なんかあんの?」


「……別に」


俺は弟の向かいの席に座ってロールパンを頬張った。


「兄ちゃんが早起きするなんて……今日、雪でも降るんじゃねー?」


「うっせーよ」


……言えねえ。


花梨にやるクリームパンとコロッケパンを買うために早起きしただなんて……絶対言えねえし。


「つーか、お前は毎朝こんな早く起きてんの?」


「ん。

だって部活の朝練あるから」


「ふーん……何部?」


「サッカー……って自分の弟の部活くらい覚えとけよ!」


朝からサッカーか。


さすが中学生……タフだな。


 
< 143 / 214 >

この作品をシェア

pagetop