ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
いつもより早く家を出る。
天気は快晴。
「この天気なら今日も昨日の場所で昼飯食えそうだな」
朝日が眩しい。
シャワーを浴びたせいか、どことなくすがすがしい。
優しい風が俺の洗い立ての髪を揺らす。
学校の少し手前にあるコンビニに寄った。
パンがズラッと並ぶ棚の前で足を止める。
「クリームパンと……コロッケパン……」
その2つを棚から取り、腕に抱えた。
そういえばアイツ……パン4つ食べるって言ってたな……。
きっと2つじゃ足りないよな。
───……「おいし~ィ」
頭の中にパンを笑顔で頬張る花梨の姿が浮かんだ。
「ふ……」
無意識に口元が緩んでしまっていることに、俺は気付かなかった。