ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
いつもより早く家を出る。


天気は快晴。


「この天気なら今日も昨日の場所で昼飯食えそうだな」


朝日が眩しい。


シャワーを浴びたせいか、どことなくすがすがしい。


優しい風が俺の洗い立ての髪を揺らす。


学校の少し手前にあるコンビニに寄った。


パンがズラッと並ぶ棚の前で足を止める。


「クリームパンと……コロッケパン……」


その2つを棚から取り、腕に抱えた。


そういえばアイツ……パン4つ食べるって言ってたな……。


きっと2つじゃ足りないよな。



───……「おいし~ィ」



頭の中にパンを笑顔で頬張る花梨の姿が浮かんだ。


「ふ……」


無意識に口元が緩んでしまっていることに、俺は気付かなかった。


 
< 146 / 214 >

この作品をシェア

pagetop