ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
パンの山を前にしてうろたえている私とは対照的に、ミナキくんはシレっとした表情。
「だって、クリームパンとコロッケパンだけじゃ足りないでしょ?」
「!」
ミナキくんはふっと笑って私を見た。
「だから色々買ってきた」
ミナキくんの笑顔を見た瞬間、ボッと顔が熱くなった。
「で……でもこんなに……!」
「食べないならいいけど」
「たたた……食べるよっ!」
ミナキくんの隣に腰を下ろす。
柔らかい草がまるでクッションみたいで気持ちいい。
「はい、クリームパン」
「ありがと……」
ミナキくんに手渡されたクリームパンを大切に胸に抱えた。