ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
その時……。
グゥゥゥ。
「あ……!」
タイミングがいいのか悪いのか、ペコペコだった私のお腹が悲鳴を上げた。
ミナキくんがキョトンと目を丸くしている。
は……恥ずかしい……!
そう思った矢先にまたグゥグゥ音を立てるお腹。
「……ぶはっ」
ミナキくんが吹き出した。
「あはははははははッ」
草の上にゴロンと転がってお腹を抱えて笑っている。
ミナキくんから解放された私は慌てて起き上がった。
た……助かったあ……。
ミナキくんを見ると、まだ横になったまま笑っていた。
「あははは……お前、今のタイミングで鳴らすなよ……。
雰囲気ぶち壊し」
「だっ……だってお腹ペコペコなんだもん!
ていうか、ここ学校だよ!?
そんなことしたら……」
「“そんなこと”?
花梨ちゃん、俺に何されると思ったの?」
「……!!!」
真っ赤な私の顔を、ミナキくんは楽しそうに覗き込む。
そんな風に見られたらますます赤くなるわけで……。
「ミナキくんのバカ……」
ミナキくんはゆっくり起き上がると、私の頭を優しく撫でた。
「お前って本当に面白い」