ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
その時……。


グゥゥゥ。


「あ……!」


タイミングがいいのか悪いのか、ペコペコだった私のお腹が悲鳴を上げた。


ミナキくんがキョトンと目を丸くしている。


は……恥ずかしい……!


そう思った矢先にまたグゥグゥ音を立てるお腹。


「……ぶはっ」


ミナキくんが吹き出した。


「あはははははははッ」


草の上にゴロンと転がってお腹を抱えて笑っている。


ミナキくんから解放された私は慌てて起き上がった。


た……助かったあ……。


ミナキくんを見ると、まだ横になったまま笑っていた。


「あははは……お前、今のタイミングで鳴らすなよ……。

雰囲気ぶち壊し」


「だっ……だってお腹ペコペコなんだもん!

ていうか、ここ学校だよ!?

そんなことしたら……」


「“そんなこと”?

花梨ちゃん、俺に何されると思ったの?」


「……!!!」


真っ赤な私の顔を、ミナキくんは楽しそうに覗き込む。


そんな風に見られたらますます赤くなるわけで……。


「ミナキくんのバカ……」


ミナキくんはゆっくり起き上がると、私の頭を優しく撫でた。


「お前って本当に面白い」


 
< 151 / 214 >

この作品をシェア

pagetop