ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
ゆっくり唇が離される。


「どう?」


そう尋ねてくるミナキくんの顔があまりに色っぽくて……。


私は恥ずかしくなって目を逸らした。


「どう……って言われても……」


まだ、口の中が甘い。


クリームの味とココアの味と、ミナキくんの味。


この3つの味が混ざるとお酒みたいな味になるんだ。


体が熱くなって、頭がボーっとしちゃう。


「でも甘くなったでしょ?」


ミナキくんは自分の唇を舐めながら薄く笑う。


甘い……なんてものじゃないよ。


甘すぎて溶けちゃいそうだったよ。


「もう1回したい?」


ミナキくんがクスッと笑う。


「もうやだっ!!!」


耐えられなくなった私はミナキくんにプイッと背を向けて、コロッケパンの袋を破いた。


 
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