ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
俺は長い息を吐いた。


「……本当に?」


「へ?」


「本当に嬉しい?」


……何を言い出すんだ、俺は。


「嬉しい……よ?」


「嘘。

だってお前、俺のことあんまり好きじゃないんだろ?」


「ええ!?

どうして!?」


少し黙ってから、小さく口を開いた。


「……メール短い」


自分で言って自分で情けなくなる。


何言ってんだよ、本当に。


「短い……かな」


「短い。

絵文字もないし」


いつも女から言われるセリフを今日は自分が言っている。


変な感じ。


──……「ミナキのメール短い!

愛が感じられない!」


前、そんなことを言われた。


あの時は、メールに愛もクソもあるか、って思ってたけど今なら分かる。


 
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