ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
その時、プツリと電話が切れた。


花梨の声に代わって、ツーツーという無機質な音が電話の向こうで響く。


「切られた……?」


嫌な胸騒ぎがする。


変なこと言ったから?


俺があんな変なこと言ったから引いたのか?


いや、もしかして間違えて切っただけかも……。


またすぐにかけ直してきたりして。


そう思った俺はベッドに腰掛けたまま、携帯画面と睨み合った。


でも、1分経っても5分経っても携帯は鳴らなかった。


しびれを切らした俺は、再び通話ボタンに指を伸ばした。


と、同時に携帯が震える。


「!?」


慌てて画面を見る。


新着メール、1件。


送信者は花梨だった。


 
< 165 / 214 >

この作品をシェア

pagetop