ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
日曜日は快晴だった。


「せっかく晴れたのに」


俺がリビングで朝食を取っていると、弟がジトッと睨んできた。


「兄ちゃんが日曜日に早起きするなんて今日は嵐だ!

または吹雪か!

もしくは台風……」


「うっせ。

俺だって早起きくらいするっつーの」


弟の頭をポコッと叩いて、再びスープに口を付ける。


「だって兄ちゃん、いつも日曜日は昼まで寝てるじゃん」


「今日は出掛けんだよ」


「誰と?」


「……彼女」


弟は持っていたマグカップを床に落とした。


「嘘だろ───!?

だって兄ちゃん、今まで彼女とのデートは遅刻当然、ドタキャン上等だったじゃん!

デートのために早起きなんてしたことなかったじゃん!

兄ちゃんが1人の彼女を大切にするなんて、もはや地球の終わりが来……」


「るわけねえだろ。

今日は、その、たまたま早く目ェ覚めただけだよ!」


俺は乱暴にロールパンを口に詰め込んで、椅子から立ち上がった。


 
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