ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
待ち合わせ場所に着くと、そこには見慣れた笑顔があった。
「あっ、ミナキくん!
おはよーっ」
思わず、てくてく駆け寄ってくる花梨と時計を交互に見た。
まだ待ち合わせ20分前……?
「お前、早くない?」
花梨はキョトンと俺を見上げる。
「まだ20分前だけど」
「え……それを言うならミナキくんだって……!」
……マジかよ。
まさか待ち合わせ時間前に揃うなんて……。
「待った?」
「ううん!
待ってない!
私も今来たところ!
でもちょっと早く来すぎちゃったね、あはは……」
ニコッと微笑んだかと思ったら、花梨は恥ずかしそうに俯いた。
「……少しでも早くミナキくんに会いたかったから」
すごく小さい声だったけど、その声はしっかり俺の耳に入った。
「へへっ……ミナキくんも早く来てくれて嬉しいッ」
頭の芯がカッと熱くなった。
心臓の鼓動は一気に速くなる。
「……ばーか」
赤くなる顔を隠すように、俺は花梨から顔を背ける。
そんな俺を見た花梨は、頬を淡い桃色に染めて、嬉しそうにはにかんでいた。
やっぱり……可愛いな、コイツ。