ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「好き、好きなの……」


やっぱり……聞き間違えじゃないみたいだ。


女は木に向かってひたすら告白している。


「好きすぎて……私、バカみたいで……ッ……どーしよー……」


驚いた。


だって泣き始めたから。


そ、そこまで木が好きなのか……?


思わず目を離さないでいると、俺の視線に気付いたのか、女がはっと振り返った。


「……!」


そして俺はまた驚かされる。


……めちゃくちゃかわいい。


この学校にこんなかわいい子いたっけ?


サラサラの長い髪、真っ白で柔らかそうな肌、くりっとした大きい目、小さくてアカい唇。


人形みたいだ。


 
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