ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
いつもは下ろしている長い髪は、2本の三つ編みにされていた。
「可愛いじゃん」
丁寧に編まれたそれを摘まんでみる。
「え……あ……ありがとう……」
花梨はますます顔を赤らめて、恥ずかしそうに下を向く。
花梨の私服に俺はまた衝撃を受けた。
スカートじゃない。
普通の女のデートスタイルって、大抵露出の多いスカートとかショーパン。
どぎついアクセサリーをジャラジャラ付けて、髪をグルグル巻く。
それが今までの女。
でも、花梨は違った。
Tシャツにオーバーオール。
派手さとか色気とか、そんなものは全くない。
けど、そんな素朴な可愛さが花梨らしい。
「私服……可愛いな」
「へ!?」
花梨は慌てて首を横に振る。
「ごめんね」
花梨が突然泣きそうな目で俺を見上げた。
「なんで謝るの?」
「だって……ミナキくんの、すごく大人っぽくてかっこいいのに、私こんなガキっぽい格好で……。
私、ミナキくんに釣り合ってないよ……。
ミナキくん、私の隣り歩くの恥ずかしいよね……」