ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
結局、俺たちは園内を3周するという快挙を成し遂げた。
走り回ったせいか、足がガクガクする。
疲れた、けどそれ以上に楽しかった。
「ねえねえミナキくん、お腹空かない?」
花梨がニコッと微笑んで俺の顔を覗き込む。
キラキラ輝いている瞳。
きっと何かあるな。
「確かに、空いたかも」
俺がそう答えると、花梨はパアッと顔を輝かせた。
「じゃあ、食べよ!
私ね、お弁当作ってきた!」
思いがけないサプライズ。
俺は熱くなる耳を押さえて、平静を装ったまま頷いた。