ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
おかずは一切ナシ。
箱いっぱい、色とりどりのおにぎり。
これは……相当腹いっぱいになりそうだな……。
「どうぞ、アナタ!
めしあがれっ♪」
にっこりと最上級の笑みを浮かべて、花梨は弁当箱を俺に差し出した。
「どうぞ、アナタ」に不覚にもドキッとした自分がキモイ。
俺はおにぎりを1つ手に取った。
形は三角形というよりも円に近い。
そして何より、大きさが尋常じゃなかった。
野球のボールを一回り大きくしたような、それくらいの大きさ。
「私、お弁当作ったの初めて!」
だろうな。
俺は少々躊躇う気持ちを抑えながら、ゆっくりおにぎりを口に運んだ。