ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
反則なんだよ、お前は。
だって、もう可愛くて可愛くて仕方がない。
これは外見のことじゃなくて、中身のこと。
確かに外見も可愛いんだけど、それより俺は花梨の性格に惹かれてる。
面白いんだよ、めちゃくちゃ。
飾ったりしない、毒のない無邪気な笑顔。
いつでも自然体で俺に接してくれる。
「ごちそうさま。
おいしかった。
また作ってくれる?」
「うんっ!
今度はもっといっぱいいっぱい大きいおにぎり作ってくる!」
「はは……うん」
俺が頭を撫でると、花梨は子犬みたいに笑う。
女に弁当作ってもらったことは何度かある。
どれもこれもチャラチャラと見た目ばっかにこだわった、味も素っ気もない弁当ばっかりだった。
「花梨」
顔を上げた花梨の唇に自分の唇を掠める。
「ごはん粒ついてた」
花梨の唇についていたごはん粒を噛み締めながら、俺はふっと笑った。
……不思議だ。
ただのごはん粒なのに、すごく甘く感じる。