ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
名残惜しい気持ちを抑えて、私たちは動物園を後にした。
ミナキくんは来た道とは違う道に沿って歩き出す。
「ミナキくん、どこに向かってるの?」
「ん?
知りたい?」
手を引かれている私は、どうすることもできず、ただミナキくんの隣りを歩く。
「知りたい!」
私がそう言うと、ミナキくんは目だけを私に向けて小さく笑った。
「じゃあ教えない」
返ってきた答えに思わずズッコケる。
「えええー!?
なんでー!?」
「その方が面白いから」
ミナキくんは相変わらずニコニコしたまま私の手を引いて歩く。