ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
……?
……あれ?
痛くない……?
「その汚ねぇ手でコイツに触んじゃねーよ」
ゆっくり目を開くと、ミナキくんの背中が映った。
ミナキくんが、女の人の腕を掴んでいた。
「コイツがガキ臭いって?
……笑わせんな。
テメェの下品な香水の匂いより、よっぽどいい匂いじゃねえか」
女の人の顔がサーッと青ざめていく。
私はミナキくんの後ろ姿しか見えないから分からないけど……ミナキくん、今どんな顔してるの……?
「ミナキ……やめて!
離して!
痛い……!」
ミナキくんは女の人の腕をバッと乱暴に振り払う。
「……失せな」
ミナキくんがドスのきいた声でそう呟いた。