ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
言おうと思っていたことを先に言われて、驚いた私は思わず顔を上げた。


「……逆に言えば、お前じゃなきゃ俺に吊り合わねーよ」


ミナキくんは私の手を引いて歩き出した。


少し熱を帯びたミナキくんの手に導かれながら、私は見知らない道を進んだ。


20分くらい歩いたところで、ミナキくんが足を止めた。


さっき言ってた15分っていうのは、ミナキくんの足で歩いた時の時間。


20分もかかっちゃったのは、私に合わせて歩いてくれてたから。


「ここの一番上」


私たちの目の前に堂々とそびえ立つ、綺麗で大きなマンション。


「ここ……?」


しばらく最上階を見上げていると、首が痛くなった。


「すごい……!

お城みたい……!」


「?

こんな城あるか?」


「うん!

マリオのクッパ城みたい!」


「……どのへんが?」



 
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