ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
「ここかな……?」
廊下の突き当たりにあったドアの前で首を傾げた、その時だった。
ガチャ、とドアの開く音がして、私は慌てて振り返った。
「……?
……誰っすか?」
左側のドアが開いて、中から男の子が顔をひょこっと覗かせた。
すごくカッコイい男の子……。
思わず見とれてしまった私は、慌てて男の子に向かって頭を下げた。
「あ、ああああ……怪しい者じゃないですッ!」
緊張と焦りでうまく呂律が回らない。
「あの……私、ミナキくんとお付き合いさせていたたたたただいてますッ、稲森 花梨(イナモリ カリン)です!
おはっ……お初にお目にかかります……ッ!」
男の子はキョトンと目を丸くして私を見た。