ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「テメェ、花梨に余計なことベラベラ話してんじゃねえよ」


「兄ちゃん、顔赤い。

この人が例の彼女でしょ?

いいじゃん、可愛いじゃん」


「黙れ。

つーかお前、今日は部活じゃ……」


「もう終わった。

今日の部活は午前中だけでしたから」


苦笑を浮かべるミナキくんと、楽しそうにニコニコ笑う弟さんが対照的。


「……ハァ。

花梨、そいつ相手にしなくていいから」


ミナキくんはわざと大きなため息をついて、自分の部屋のドアを開けた。


「照れてる兄ちゃん、初めて見たな……」


ミナキくんの後ろ姿を見ながら小さく笑う弟さん。


「ねーねー」


「?

はい?」


「逢くんっていうの?」


私の質問に、弟さんは一瞬驚いたような表情をして、それから苦笑いを浮かべながら頷いた。


「あー……はい。

女みたいですよね、“アイ”なんて……。

俺、自分の名前ほんと嫌いで……」


「逢って、カッコイい名前だね!」


「……え?」


 
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