ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
「おじゃまします……」
私はゆっくりミナキくんの部屋に足を踏み入れた。
部屋に入った瞬間、ふわりとミナキくんの甘い匂いがした。
男の子らしいシンプルな部屋。
ベッド、テレビ、パソコン、机、本棚……目に付くのはそれくらい。
落ち着かない私を見たミナキくんは、自分が座っていたベッドの隣りをポンポンと叩いた。
「ここに座りな」
言われるがままに私はミナキくんの隣りに腰を下ろす。
「結構歩いたから喉渇いただろ?
はい」
そう言って、ミナキくんは私にオレンジジュースの入ったグラスを渡した。
「どうもありがとう」
私はグラスを受け取って、そのまま口に運んだ。
オレンジの甘酸っぱさが口いっぱいに広がって、思わず顔がほころんだ。