ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
ミナキくんがじっと私の目を見つめた。
真剣な眼差し……。
見つめ合っていると、その凛々しい瞳に吸い込まれそうになる。
見れば見るほど綺麗な顔。
本当に橋本くんにそっくりだなあ……。
無意識にそんなことを考えながら、思わず見とれてしまう。
「花梨……?」
……好き。
好き、大好き。
私はこの人から離れられない……。
ずっと隣りにいたい。
さっきの出来事を思い出すと、もちろん怖くて泣きそうになる。
でも、泣いちゃだめなんだ。
ミナキくんはモテる。
ミナキくんは私だけのミナキくんじゃない。
ミナキくんにはいっぱい彼女がいる。
だから、今日みたいな出来事はこれからたくさん起こるはず……。
だから、泣いちゃだめなんだ……。
ミナキくんの隣りにいるために、強く……。
強く、ならなきゃ……。