ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
俺が自分のジーパンに手をかけた、その時だった。
なにやら廊下が騒がしく、バタバタと足音が近付いてくる。
……そして、まさかの展開。
「ミナキーッ!!!!!!!」
バァンッとものすごい勢いで部屋のドアが開けられた。
「……なんで」
勢い良く部屋に飛び込んできたのは、母さんだった。
「って、アラま!
やだー、真っ最中じゃない!」
って分かってるくせに部屋から出て行かない。
「母さん……今日から出張じゃなかったけ?」
「え?
ああ、そうそう、それがね~、出張明日からだったみたいなのよ!
ママカレンダー見間違えてたみたい!
うふふっ!」
母さんは笑いながら、なぜかベッドに近付いてくる。
「だから帰ってきちゃったんだけどーォ、そりゃあもうビックリしたわよー!
だって玄関に見慣れない靴あるんだもん!
しかも女物!」
そして俺たちがいるにも関わらずベッドにドサッと腰掛ける。
「それで逢ちゃんに訊いたらミナキが彼女連れてきてるって言うじゃない!
もー、ビックリしちゃってビックリしちゃって!
だってミナキ、今まで彼女連れてきたことないし!
だからどんな子なのか気になったのよ!」
そう言って、母さんはシーツにくるまった花梨をキラキラした目で見つめた。