ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
すると、ポカーンと口を開けていた花梨はハッと思い出したかのように母さんに頭を下げた。


「は、初めまして!

稲森 花梨です!

あの、すみません……こんな格好で……」


あたふたする花梨を見た母さんは、目をキラキラさせたまま歓喜のおたけびを上げた。


「キャ─────!!!!!

超可愛い!!!!!

ミナキやるじゃない!!!」


母さんが俺の頭をうりうりと撫でる。


「やめ……」


「花梨ちゃんッ!

こんなカッコつけでナルシストで顔しか取り柄ないような男だけど、今後ともよろしくしてやってね!」


「い……いえ!

ミナキくんは優しくて面白くて素敵な人です!

こちらこそよろしくお願いします!」


カッコつけでナルシストで顔しか取り柄ないような男……って、酷い言われようだな俺。


そして花梨、お前はどこまで可愛いやつなんだ。


 
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