ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
バカみたいなこと考えて、バカみたいに不安にかられていた自分に自分で恥ずかしくなる。
「ミナキくん?
どうしたの?」
花梨が不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「……いや、別に」
あくまで平静を装いながら、ベッドから立ち上がってゲームのコンセントを繋いだ。
ゲームをセットしている俺の隣りに、花梨がピッタリと肩を寄せて座る。
「コレやりたーい」
棚に並べてあった1枚のゲームカセットを指差して、花梨は俺を見上げて屈託なく笑った。
その笑顔を見た瞬間、また胸の奥が熱くなる。
「いいけど、俺スマブラ強いよ?」
「私だって強いよー!」
……花梨は、本当に不思議な奴だ。
「私のガノンドルフの前にひれ伏すがいい!」
「なんでまた、んなイカツイキャラ……」
「ミナキくんは?」
「俺?
カービィ」
俺はこの笑顔を、手放したくない。
「負けたら罰ゲームね」
「ならミナキくんが罰ゲームだね」
「言ったな?」
吊り合うとか、吊り合わないとか……そういうのはもうどうだっていい。
俺は、花梨といるのが楽しい……。