ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
「一体何がどうしたって言うのよー」
泣き止まない私に困惑気味の杏子。
私は止まらない涙を拭いながら、今さっきの出来事を杏子に話した。
杏子は私の話を一通り聞き終えると苦く笑った。
「なんで木に告白の練習なんかしてんのよ……」
「だって、あの木は……」
私が言いかけた、その時。
「……花梨、そろそろ帰るか?」
「あッ!
銀ちゃん!」
ちょうど教室に入ってきた背の高い男の子。
早渡部 銀爾。
通称「銀ちゃん」。
私の幼なじみ。