ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
屋上に出ると、生ぬるい風が頬を撫でた。
どんより曇った空は、俺の心を映しているみたいだ。
「……ミナキくん、好きです」
ほらキタ。
俺と目を合わせず、真っ赤になってもじもじと俯いた女。
あー……。
俺こういうブリブリした女、無理。
とりあえず、冷めた心を隠すように顔には微笑みを浮かべる。
「うん、ありがと。
それで?」
「えっ……!?」
「好き」だけじゃ分かんねーよ。
お前は俺に何を望む?
「あ、あのね……付き合って欲しいんだけど、無理かな……?」