ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
「……ミナキ、バカじゃねーのお前」
銀爾が呆れたと言わんばかりにハアッとため息をついた。
「そいつ、彼女じゃねーし」
銀爾は写メに映る女を指差して、ダルそうに呟いた。
キョトンと目を丸くする俺と真広。
「そいつはただの幼なじみ」
「おさなななな……?」
真広はポカーンと口を開けている。
「……昨日はちょっと色々あって、アイツ泣いちまったから……慰めてただけだよ」
携帯が手をすり抜けて、カタンと床に落ちた。
「あー!
そういえば銀、前に言ってたな!
隣の隣の隣のクラスに幼なじみがいて毎日一緒に帰ってる、って!
その幼なじみって女の子だったんだあー!」
「そ」
俺はゆっくり携帯を広い上げる。
「……これで分かったか?
この勘違い野郎」
銀爾が薄く笑いながら勝ち誇ったような目で俺を見た。
「ふーん……あっそ」
銀爾に背を向けて、そっと胸に手を当てた。
あれ……?
おかしいな。
……なんで俺、ちょっとホッとしてんだろ?