ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「テメェ……」


「ああ、ごめんね。

大丈夫?」


俺はニコッと笑って、ブサイクニキビの手を引っ張って立たせてやった。


「ふざけんなああ!」


「おい、肝田、もうやめろ!」


懲りずに再び俺に殴りかかろうとしたブサイクニキビを、周りにいたそいつの友達が止めた。


「何でだよ!?」


「お前、山内ミナキを知らないのか!?」


「はあ!?

知るかよ!!!」


「お前……コイツを敵に回したら、クラスの……いや、全校の女子に嫌われるぞ!」


「は!?」


まあ、そういうこと。


……でももう手遅れだな。


「肝田サイテー……」


「ミナキくんに殴りかかるなんて信じらんない」


「ミナキくんに傷でも付いたらどうする気?」


クラス中から聞こえる女の声。


俺を敵に回す=女を敵に回す


カッコいい王子様を殴ろうとしたんだから、王子様に惚れてるお姫様たちが黙ってるわけねーよな。


かわいそうに、ブサイクニキビ。


まあでも、今さら嫌われても、元々モテてなかっただろうし……。


 
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