ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
沈黙を破ったのは、ミナキくんの小さな笑い声。
「っくくく……」
下を向いて、口を押さえて笑ってる。
「ミナキく……!」
「なに?
聞こえなかった。
もう1回言ってくれる?」
ミナキくんはクスッと笑って私に向き直る。
ミナキくんの笑顔を見て、少しだけ緊張がほぐれた。
「ミナキくん」
それまで吹いていた風が、ピタッと止む。
まるで、私の言葉を聞こえやすくするかのように。
「あの……」
静かな屋上に響くのは、私の心臓の鼓動だけ。
熱くなるほっぺ。
うまく息が出来ない。
「なに?」
ミナキくんが優しく急かす。
ゆっくり顔を上げると、目が合った。
小さく開いた口から、必死に声をしぼり出した。
「好きです……っ」