ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
「知ってるなら、話早いな」
俺は女の目線に合わせてかがんだ。
「俺、彼女いるんだよね。
それでもいいなら付き合ってあげるよ」
俺と見つめ合った女は、顔をさらに真っ赤に染める。
頭に茹でたタコの図が浮かんだ。
「どうする?」
「つ……付き合う……。
付き合うよ……ッ!」
女は目に少し涙を溜めて俺を見た。
「彼女いたっていーもん!
私、ミナキくんのこと本当に好きだから!」
ふーん……。
俺、こいつのこと知らないんだけど。
話したこともない相手に「好き」だなんてよく言えるよな。
女って本当にバカ。