ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「知ってるなら、話早いな」


俺は女の目線に合わせてかがんだ。


「俺、彼女いるんだよね。

それでもいいなら付き合ってあげるよ」


俺と見つめ合った女は、顔をさらに真っ赤に染める。


頭に茹でたタコの図が浮かんだ。


「どうする?」


「つ……付き合う……。

付き合うよ……ッ!」


女は目に少し涙を溜めて俺を見た。


「彼女いたっていーもん!

私、ミナキくんのこと本当に好きだから!」


ふーん……。


俺、こいつのこと知らないんだけど。


話したこともない相手に「好き」だなんてよく言えるよな。


女って本当にバカ。


 
< 6 / 214 >

この作品をシェア

pagetop