ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
頭の中が真っ白になった。


ただ、胸の奥が溶けそうなほど熱い。


体中の血液が逆流してるみたい。


心臓は普段の何百倍もの速度で鼓動を刻む。


永遠のように感じられた沈黙が、またミナキくんによって破られた。


「ふーん……」


ぎゅっと閉じていた目をゆっくり開く。


「……好きなんだ?

俺のこと」


余裕そうな表情で微笑むミナキくんを、じっと見つめる。


ミナキくんは私のすぐ目の前まで近付いて来ると、妖しく笑った。


「……いいよ、付き合ってあげても」


「ホ……ホント!?」


「ただし」


ミナキくんが細くて綺麗な人差し指を立てて、私の目の前に突き出した。


「俺の言うコト、何でも聞ける?」


 
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