ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
昼休みになり、今日は校舎裏に呼び出された俺。


もはや日課だけど……。


やっぱりだりぃ……。


「ミナキ、来てくれてありがと」


「いえ」


俺を呼び出したのは化粧がケバくて気の強そうな先輩。


なかなか美人だけど、タイプじゃねーな。


「それで……何でしょうか」


俺がニコッと微笑むと、先輩は少し顔を赤らめて俯く。


「あのね、昨日アタシ彼氏に振られたんだよね」


「本当ですか?

信じられません。

その彼氏サン、もったいないことしましたね。

こんなに綺麗な先輩を振るなんて……」


……なんてな。


俺が心の中で嘲笑しているとも知らず、先輩は耳まで真っ赤にしている。


「それでね……」


先輩は目に涙を溜めて俺を見つめた。


「ミナキに、慰めてほしくて……」


「俺に?」


柄にもなく、こくっと恥ずかしそうに頷く先輩。


冷めた目で見下ろしてしまう俺がいる。


「いいですよ」


 
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