ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
ハッとした。
「え……?
ミナ……キ?」
なぜか、無意識のうちに先輩を引き剥がしている自分がいた。
よく分かんないけど……。
ほんとよく分かんないんだけど……なんかめちゃくちゃイライラした。
……それに、初めてだった。
女を気持ち悪いと思ったのは。
さっきまで抱こうとしてたはずなのに……。
先輩の腕が絡まってきた瞬間、体中に悪寒が走った。
なんでだ……?
なんで俺、先輩を殴って花梨の元に駆け寄りたいとか思ってんの……?
「……ドン引きですね。
男の前では猫かぶって、女の前ではあんな風に下品に騒ぎ立てるんですか」
「え……!?
だって……原因はあの子じゃない!
あの子が私にパンを……」
あー……。
ダメだ……。
「……うっせーよ」
なんか、イライラする。