ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
思わず吹き出してしまった。


「何で笑うのーっ!?」


だって……。


こんなチビが、こんなでっかいパンを昼飯に4つも食うって……。


ありえねー……。


男の俺ですら昼飯はパン2つで十分なのに……4つって。


しかも……。


「何で4つとも焼きそばパンなわけ?」


「えっ!?

焼きそばパンおいしいもん!」


「うん、確かにうまいけど……飽きないの?」


「……。

……あッ!」


花梨は驚いたように目を見開いて、小さい声で「確かに……」と呟いた。


……ダメだ。


「ぶ……あはははははははは!」


堪えらんなかった。


「ばーか」


「ばか!?」


花梨の髪をくしゃくしゃかき混ぜる。


「お前……面白すぎ」


俺は焼きそばパンの袋をバリッと破いた。


「これ、もらう」


「ああああああああ!

私の焼きそばパン!

だ……だめだめっ、返してっ!」


初めてかも。


女の前でこんな風に笑ったの。


ていうか、こんな風に女に笑わせられたのは確実に初めて。


……本当に初めてだ。


女を面白いって思ったのは。


 
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