ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
そういや、俺も今日の昼飯に焼きそばパン買ってたな……。
俺は柔らかい草の上に腰を下ろして、焼きそばパンをくわえた。
「座れば?」
隣の草の上をポンポンと叩いて、座れと促す。
「でも私、友達と約束してるから行かなきゃ……」
「……何でも言うコト聞くんじゃなかったっけ?」
すると花梨はようやく諦めたのか、俺の隣に腰を下ろして携帯を開いた。
「もしもし、杏子?
あ、うん、花梨。
えっ……い、今?
今は……その、えーっと」
焼きそばパンからいったん口を離して、花梨から携帯を奪う。
「あ、ちょっ……!?
ミナキくん!?」
「もしもーし、ミナキです。
ごめんね。
ちょっと今日は花梨チャンのこと借ります」
そう言って携帯の電源を切る。
俺がニコッと笑うと、花梨は少し怒ったように俺を見た。
「今日は一緒に昼飯食お?」
「一緒にっていうか……そのパン私のだし」
「ン、ごめんごめん。
じゃあ明日は俺が昼飯おごるから」
「本当にっ!?
わあーいっ!」
手を叩いて無邪気に喜ぶ花梨。
……単純。